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試算表の読み方(P/L)

試算表はP/L(損益計算書)とB/S(貸借対照表)で構成され、会社の経営分析に役立つ大変重要な資料です。

  • P/L(損益計算書)とは…
  • P/Lの形式
  • P/Lの読み方

P/L(損益計算書)とは…

P/Lとは会社の一定期間の経営成績を示す帳票で、収益と費用を対応させて表示することにより次のようなことが分かります。

  1. 収益(売上、受取利息等)がいくら発生しているか
  2. 費用(売上原価、販管費、支払利息等)がいくら発生しているか
  3. 売上総利益率や営業利益率、経常利益率等はどうなっているか

P/Lの形式

P/Lは一般的には次のような形になっています。

   売上高                  10,000万円
   売上原価                △ 7,000
    売上総利益                3,000
   販売費・一般管理費           △ 2,400       
    営業利益                   600
   営業外収益                   120
   営業外費用               △    80
    経常利益                   640
   特別利益                     50
   特別損失                △    70
    税引前当期利益                620
   法人税、住民税及び事業税        △   300
   法人税等調整額                  30
    当期利益                   350
   前期繰越利益                  180
   過年度税効果調整額           △    30
    当期未処分利益                500

※ △印は便宜上、付けています。実際のP/Lには、△印は記載しません。

P/Lの読み方

具体的な経営分析については次回以降説明することにしまして、今回は各項目のポイントのみ説明します。

1.売上高

… 会社の主たる商品(製品)の売上高を示します。

昔、CMに「大きいことはいいことだ」というフレーズがありましたが、ある一面いえることだと思います。しかし後述しますが、単純に大きいだけでなくその内容が重要です。

2.売上原価

… 上記の売上を得るために直接要した原価、すなわち商品の仕入原価や製品の製造原価がこれに該当します。

売上原価は実際に売り上げた商品(製品)に対応するものが対象になりますので、期末に在庫として残っている商品(製品)はこれを除外したものが売上原価になります。

3.売上総利益

… [1]−[2]の金額、すなわち売上高から売上原価を差し引いた金額です。

この金額は大きければ大きいほどいいのですが、金額の絶対値もさることながら売上高に対する割合、すなわち売上総利益率も大きなポイントになります。
売上総利益率は毎期大体一定の割合になりますので、前期と比較したり同業他社と比較することにより大まかな当期の経営成績が把握できます。
また利益率の大きく異なる複数の商品(製品)を販売している場合、売上品目ごとに利益率を把握することにより経営分析や経営計画立案に役立ちます。

4.販売費・一般管理費

… 売上獲得のために要した販売費と、会社を維持していくために必要な一般管理費に分類されます。

販売費の主な例としては販売員給料・歩合給・広告宣伝費等があり、また一般管理費の主な例としては役員報酬・事務員給料・水道光熱費等があります。
この金額は少ないに越したことはありませんが、節約できる費用と節約すると売上の減少する恐れのある費用がありますので、一概に少なければいいというものではありません。

5.営業利益

… [3]−[4]の金額、すなわち売上総利益から販売費・一般管理費を控除した金額です。

この金額が会社の本来の目的たる事業を遂行した結果の利益となり、この金額は売上高に対する割合も重要ですが、ある程度金額の絶対値で判断していい金額です。

6.営業外収益

… 受取利息や雑収入等財務的収益項目です。

7.営業外費用

… 支払利息や支払割引料等財務的費用項目です。

8.経常利益

… [5]+[6]−[7]の金額、すなわち営業利益に営業外収益を加算し、営業外費用を控除した金額です。

この金額が営業利益より大きい会社は借入金依存度の低い財務体質の優良な会社ということができます。

9.特別利益

… 固定資産の売却益や前期損益修正益などの臨時的に発生する利益がこれに該当します。

10.特別損失

… 固定資産の売却損や前期損益修正損、貸倒損失など臨時的に発生する損失がこれに該当します。

11.税引前当期利益

… [8]+[9]−[10]の金額、すなわち経常利益に特別利益を加算し、特別損失を控除した金額です。

会社の当期の純粋な利益を示します。

12.法人税、住民税及び事業税

… 税引前当期利益に所定の調整を加えた当期の所得金額に対する法人税、住民税及び事業税の金額です。

13.当期利益

… [11]−[12]の金額、すなわち税引前当期利益から法人税、住民税及び事業税を控除した金額です。

当期の利益から生じた可処分所得を示します。

14.前期繰越利益

… 前期から繰り越された可処分所得です。

15.当期未処分利益

… [13]+[14]の金額、すなわち当期利益に前期繰越利益を加算した金額です。

会社の当期末における可処分所得を示します。

試算表の読み方(B/S)

試算表はP/L(損益計算書)とB/S(貸借対照表)で構成され、会社の経営分析に役立つ大変重要な資料です。

  • B/S(貸借対照表)とは…
  • B/Sの形式
  • P/Lの読み方
  • 具体的な読み方

B/S(貸借対照表)とは…

B/Sとは会社の一定時点での資産と負債・資本の明細書で、これにより次のようなことが分かります。

  1. 借方(左側)は会社の資金がどのように運用されているかを示し、大きく流動資産・固定資産・繰延資産の3つに分けられます。
  2. 貸方(右側)は会社の資金がどのように調達されているかを示し、大きく負債(他人資本)と資本(自己資本)に分けられます。これを細分すると負債は流動負債・固定負債の2つに、資本は資本金・資本剰余金・利益剰余金の3つに分けられます。
  3. 借方と貸方を対比させることにより、会社の支払能力は十分か、設備投資が適正に行なわれているか、等の経営分析に必要な資料を得ることが出来ます。

B/Sの形式

B/Sは一般的には次のような形式になっています。

      【資産の部】            【負債の部】
   (1)流動資産           (1)流動負債
     ・現金、預金            ・支払手形
     ・受取手形             ・買掛金
     ・売掛金              ・短期借入金
     ・棚卸資産             ・その他の流動負債
     ・その他の流動資産       
                     (2)固定負債  
   (2)固定資産             ・長期借入金
     @有形固定資産           ・その他の固定負債
     A無形固定資産          
     B投資その他の資産          【資本の部】    
                     (1)資本金
                     (2)資本剰余金
   (3)繰延資産           (3)利益剰余金

B/Sの読み方

具体的な経営分析は次のテーマに譲ることにしまして、今回は各項目の簡単な概要について説明します。

1.流動資産

… 現金又は比較的早い時期に現金化される資産

現金、預金
… 当座資産
受取手形、売掛金
… 売上債権−(回収)→当座資産
棚卸資産
… 棚卸資産−(販売)→売上債権−(回収)→当座資産
その他の流動資産
… その他の流動資産−(回収)→当座資産

※この流動資産が大きければ大きい程、会社の支払能力は高いことになります

2.固定資産

… 減価償却や売却によって資金の回収が行なわれる資産

有形固定資産
・建物、車両等
… 減価償却資産−(減価償却)→当座資産
・土地
… 非減価償却資産−(売却)→当座資産

※減価償却は支出を伴わない費用のため、相対的にその分だけ資金の回収になります。また土地等は取得価額で評価される関係上、地価上昇下にあっては会社に含み益が残る形になり信用が増大します。しかし反面、資金回収に長期間を要するため、資金調達の方法いかんによっては資金繰りを圧迫させる結果となる恐れがあるため注意が必要です。

無形固定資産
特許権等
… 減価償却資産−(減価償却)→当座資産 
借地権
… 非減価償却資産−(売却)→当座資産

※無形固定資産は、法律や慣習により保護された権利であり、無形という点を除けば有形固定資産となんら変わるところはありません。

投資その他の資産
・投資有価証券、敷金等
… 投資その他の資産−(売却)→当座資産

※投資その他の資産は、事業に直接関連しないものが多く、回収が困難なものも含まれています。

3.繰延資産

… 資金の支出(費用)のうちある特定のものについて、一時の費用ではなく将来の一定期間で償却しようとする資産で、財産的価値の全くない資産

開業費、開発費、試験研究費等
… 当座資産としての回収は不可能
4.流動負債

… 比較的早い時期(原則として一年以内)に資金支出が予定されている負債

支払手形、買掛金
… 仕入債務→資金の社外流出
短期借入金
… 借入債務→資金の社外流出
賞与引当金
… 引当金→資金の社外流出
預り金、未払金等
… その他の流動負債→資金の社外流出

※流動負債は短期的に資金の社外流出が起こるため、金額の大きさも問題ですが、もっと重要なのは流動資産とのバランスです。すなわち流動資産のほうが大きければさして問題はありませんが、反対に流動負債のほうが大きい場合には近い将来資金繰りに支障をきたすことが予測されるからです。

5.固定負債

… 比較的遠い将来(原則として一年超)に資金支出が予定されている負債

長期借入金
… 借入債務→資金の社外流出
退職給与引当金
… 引当金−(従業員の退職)→資金の社外流出
長期未払金等
… その他の固定負債→資金の社外流出

※この長期借入金や長期未払金が、設備投資に充てられる形になっていると資金繰りは安定し、理想的な形になります。

6.資本金

… 株主より払い込まれた資金

※資本金は減資等が行なわれない限り資金支出がないため、安定した資金調達源泉となりますが、配当金を支払う必要があります。

7.資本剰余金

… 株主払い込み資金のうち資本金とならなかった部分

※資本剰余金は資本金と同様安定資金源泉ですが、配当金を支払う必要がない分だけ資本金よりも安定しています。

8.利益剰余金

… 過去の利益の累積額

利益準備金
… 過去の利益のうち利益準備金として積み立てた金額
別途積立金等
… 過去の利益のうち別途積立金等として積み立てた金額
未処分利益
… 過去の利益のうちまだ処分が決まっていない金額

※利益剰余金は過去の利益の累積額のため資金調達源泉のうち一番安定したものとなります。

具体的な読み方

以上大まかに各項目を説明してきましたが、B/Sを大きく分けると借方(左側)が一定時点における資金の運用状況を示し、貸方(右側)が一定時点における資金の調達状況を示します。

従ってこれを対比させることにより、会社の資金の運用状況がどのようになっているのかを判断することができます。

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